今年、戦後70年がニュースになっていました。

戦争の話は、本で読んだり話を聞いたりしましたが、

シベリア抑留から生きて帰って来た庶民である小熊謙二さんの伝記のような本

生きて帰ってきた男 を読んで衝撃を受けました。

こういう本を読むと、歴史なんて勉強する意味がないとは言えなくなると思います。


シベリアの過酷な捕虜生活をはじめ、

淡々と語れる信じられないような強烈な体験の数々、

庶民視点より語られる激動の日々、

これが同じ時代に日本で暮らしている人の人生というのが驚きです。


そしてこれだけ時代や運命に振り回されても、

人生希望があれば生きていける、今はいい生活だと言い切る

小熊謙二さんの台詞は人間てなんて強いんだろうと思います。


今まで読んだ戦争に関する本は、本当に戦争ど真ん中でどこか物語っぽいものか、

もしくは支配者階級をはじめとするマクロな視点の話が多い中、

戦争とは普通の人にとってどんなものか知る事の出来る良書だと思います。


そしてやりどころのない事実も突き付けられて、モヤモヤしながらいろいろ考えさせられます。例えば、


・戦争に負けた日本は保障として、自国民をシベリア等に捕虜として送っていた。
 そこから運よく生きて帰って来ても、差別はされるが、
 戦争の負けは国民全員で平等するべき受苦として補償はなし。
 一方、上級将校などは恩給あり。

・中国人で日本人捕虜になって、シベリアに送られた人はもちろん補償なし。
 その後中国に戻ってきてもスパイ扱いを受け迫害にあった

どう思いますか?

是非本を読んで一緒に考えましょう。